カツオは鰹節で知られるように出汁として和食には欠かせない存在です。鰹節の技術が出来たのは江戸時代と言われていますが、食用としての歴史は古く大和朝廷の時代には干して献納した記録が残されているそうです。
カツオの旬は「目には青葉 山時鳥(ほととぎす)初松魚(かつお)」という山口素堂の俳句にもあるように、一般的に初夏とされていますが、これは関東地方での話。カツオはサバ科の典型的な回遊魚で、日本近海では黒潮に沿って春に北上・秋に南下という季節的な回遊を行うため、港によって旬が大きく異なります。九州〜四国地方での旬は4月となります。生魚特有の良質のたんぱく質やビタミン群、カルシウムをたっぷり含み、春には欠かせない健康食の一つとなっています。特に背身と腹身の間にある血合いの部分には、消化器障害や皮膚炎の予防に役立つビタミンB2や貧血の予防には欠かせない鉄分やビタミンB12を多量に含んでいます。また、カツオはネギやショウガ、にんにくなど香辛野菜と相性が良いので、一緒に食べて栄養の相乗効果を発揮したいものです。
カツオの刺身は脂ののり具合が味を大きく左右します。旬は春から初夏と秋。春から初夏にかけては北上し「上りガツオ」と呼ばれます。逆に秋は南下する群れ。南下するカツオを「下りガツオ」と呼びます。
春先のカツオは旨味が強く、下りカツオは脂が十分に乗るという違いだけでなく、上りカツオは皮が柔らかいので皮ごと食べられるのに対して、下りカツオは皮が硬いという違いがあります。刺身にする時にはこの差が好みに表れるのですが、どちらにも良さがあり甲乙付けがたいものです。